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相続財産の調査方法| 不動産や預貯金、借金を調べるポイントや費用について解説

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相続財産の調査方法| 不動産や預貯金、借金を調べるポイントや費用について解説

身内の方が亡くなって相続人となった場合、相続財産の調査に取り掛かりましょう。遺産分割の準備として必要な作業ですし、住宅ローンや借入金が残っている場合のリスクを把握するためにも重要な作業です。

まずは基本的な調査の流れを掴んでおくことが大事です。特に注目しておきたい不動産や預貯金などを調べるときのポイントについてもここでご紹介いたします。

特に注目しておきたい財産

調査の対象は、被相続人が生前所有していたすべての財産です。基本的にはすべての財産が相続対象となりますので、遺産分割協議や名義変更手続、相続税計算のために漏れなく調査を行う必要があります。

特に重要性が高いのは遺産総額のうち大きな割合を占める財産です。以下の財産について重点的に注目して調査をしておけば遺産の大半を把握できますので効率的です。

  • 不動産、預貯金、現金、株式(プラスの財産)
  • 住宅ローン、消費者金融等からの借金(マイナスの財産)

調査の基本的な流れ

相続開始後、まずは「預金通帳や郵便物のチェック」を行うといいです。

被相続人の自宅で預金通帳や郵便物を探してみましょう。通帳があればおおまかなお金の流れを把握することができ、そこから派生的にさまざまな財産・権利義務関係も明らかにしていくことができます。
また、被相続人宛の郵便物からも多くの情報を得られます。どの銀行や証券会社を利用していたのか、どの金融業者からお金を借りていたのか、どのようなサービスを利用していたのか、などがわかるかもしれません。

そして「取引先の確定」「不動産の把握」を進めましょう。

取引のあった金融機関の支店まで確定させ、また、市役所や都・県税事務所などから届いた固定資産税通知書から被相続人所有の建物や土地も把握できます。建物の家屋番号や土地の地番などがわかれば法務局で「登記簿謄本」を取得します。
※登記簿謄本の取得には500円程度の費用がかかる。
※オンラインでの取得も可能

取引先がわかれば「残高の確認」を行います。

銀行や証券会社などへ残高証明書の発行依頼を行うと、具体的な金額が明らかになります。
※1通あたり1,000円程度の費用がかかる。

調査のために準備しておきたい書類

相続財産の調査を進める際、以下の書類を準備しておきましょう。

準備しておきたい書類 補足
被相続人の死亡がわかる戸籍謄本 ・450円/通
・相続人が各種請求を行うには被相続人が亡くなっていることの確認が取れないといけない。
相続人の印鑑登録証明書 ・300円/通
・多くの場合、3ヶ月以内のものを用意しなくてはならない。
相続人の本人確認書類 マイナンバーカードや免許証など顔写真付きのものがあると確実。

その他相続財産に関する資料も、見つかったものはすべて大事に保管しておきましょう。

不動産調査のポイント

不動産の調査を進めるときは「名寄帳」を活用しましょう。

名寄帳は市町村役場で手に入れることができ、そのエリア内にある被相続人名義の不動産を一覧で把握することができます。
※取得費用に350円かかる(地域によって若干の差がある)。

また、固定資産税納税通知書から確認できるのは課税されている不動産のみですので、公衆用道路(自宅への入り口として使っている道路など)や水路、ため池などを見逃してしまうおそれがあります。
こうした非課税の不動産についても把握するためにも、名寄帳は取得しておきましょう。

預貯金調査のポイント

預貯金の調査は地道な作業となります。

被相続の口座がどこにあるのか一挙に把握できるようなシステム・仕組みはなく、一つひとつ銀行に問い合わせをしていかないといけません。

その際、次の銀行に確認を取っていくのが効率的です。

  • 自宅近くの銀行
  • 勤務先近くの銀行
  • 全国各地に店舗があるメガバンクやゆうちょ銀行

また、銀行名が入った遺品(タオルやカレンダーなど)があるときはその銀行に対して問い合わせをしてみましょう。

借金調査のポイント

マイナスの財産も相続対象であることを忘れてはいけません。

多額の借金を残したまま亡くなり、相続してしまうと、相続人が借金返済の肩代わりをしないといけません。事前に借金の大きさがわかっていれば「相続放棄」によってその義務を免れることができますので、注意深く調査をしておく必要があるのです。
※相続放棄:相続人ではなくなるための手続で、資産も負債もすべて相続しなくなる。

借金などのマイナス財産を調べるときも通帳や郵便物をチェックします。

定期的に引き落とされているものがあるとき、金融業者やローン会社からのハガキなどがあるときはその存在を疑った方がいいです。また、併せて「信用情報機関」への問い合わせも行いましょう。

信用情報機関とはKSCやCIC、JICCのことで、それぞれ調査できるローンや契約内容が異なります。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)
住宅ローンやキャッシングなど銀行関連の契約が調査できる。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)
クレジットカード関連の契約が調査できる。
JICC(株式会社日本信用情報機構)
消費者金融関連の契約が調査できる。

※各機関、開示請求を行うのに1,000円~2,000円程度の費用がかかる。

財産の調査に苦労することもあるかと思います。相続人自身が調査することも可能ですが、より確実に、安心して相続手続を進めるには弁護士への依頼もご検討ください。

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